第7回:損害賠償請求

JUGEMテーマ:整体

 

過去記事をご覧いただいてない方は過去記事からどうぞ。

 

第1回:不正競争防止法の概要
第2回:品質誤認惹起表示(優良誤認表示)
第3回:要免許行為の表示の差し止めを求めるーその1(レベル5)
第4回:要免許行為の表示の差し止めを求めるーその2(レベル4)
第5回:要免許行為の表示の差し止めを求めるーその3(レベル1〜3)
第6回:差止請求

 

今回は損害賠償請求です。


品質誤認表示(優良誤認表示)の場合、損害賠償が難しいため、事業者はこれで訴えにくかったりします。

品質誤認表示を行った業者が得た利益のうち、訴えた業者のシェア分しか損害賠償は取れません。

 

一社だけで訴える場合、「訴訟費用>損害賠償」ということもあり、費用倒れの可能性もあります。
なので消費者庁などが優良誤認表示で措置命令を出すまで競合業者が放置する、というわけです。

 

そのため、正当に施術を行える国家資格者がまとまって訴訟を起こす必要があります。
地域の国家資格者全員が訴えれば、無免許業者の利益を全て損害賠償として請求可能になります。

 

損害賠償額=無免許業者の利益額✕原告(国家資格者)÷競合地域の現役国家資格者数

 

というわけです。

 

どうやって無免許業者の利益額を知るのか、ということですが不正競争防止法第7条はその推定根拠となる会計書類の提出を裁判所が命じることができます。

 

第七条  裁判所は、不正競争による営業上の利益の侵害に係る訴訟においては、当事者の申立てにより、当事者に対し、当該侵害行為について立証するため、又は当該侵害の行為による損害の計算をするため必要な書類の提出を命ずることができる。ただし、その書類の所持者においてその提出を拒むことについて正当な理由があるときは、この限りでない。

 

 

というわけで、訴えて、会計書類を出してもらってから請求額を確定すれば良いわけです。
逆に裁判を起こさなければこのような書類の提出を求めることができません。

 

またこの不正競争で得た利益は売上から変動経費を差し引いた額(限界利益)が認められるのが原則です。
家賃などの固定出費は控除されません。

 

そのため無免許の方が品質誤認惹起表示で利益を上げていた場合、手元に残った額よりも多くの賠償金の支払いを命じられる可能性もあります。

 

そのような支払いをする覚悟が無ければ無免許でこの業界に入ろうとは思わないことです。


第6回:差止請求

JUGEMテーマ:整体

 

今回は差止請求の解説です。

過去の記事は以下になります。

 

第1回:不正競争防止法
第2回:品質誤認惹起表示(優良誤認表示)
第3回:要免許行為の表示の差し止めを求めるーその1(レベル5)
第4回:要免許行為の表示の差し止めを求めるーその2(レベル4)
第5回:要免許行為の表示の差し止めを求めるーその3(レベル1〜3)

 

 

差止請求は不正競争防止法第3条が根拠となります。

 

第三条  不正競争によって営業上の利益を侵害され、又は侵害されるおそれがある者は、その営業上の利益を侵害する者又は侵害するおそれがある者に対し、その侵害の停止又は予防を請求することができる。

 

2  不正競争によって営業上の利益を侵害され、又は侵害されるおそれがある者は、前項の規定による請求をするに際し、侵害の行為を組成した物(侵害の行為により生じた物を含む。第五条第一項において同じ。)の廃棄、侵害の行為に供した設備の除却その他の侵害の停止又は予防に必要な行為を請求することができる。

 

 

「その侵害の停止又は予防」ということで、品質誤認惹起表示となる広告の文言の削除、および将来にわたってそのような表示をしないことを求めることができます。

 

差止請求レベル

 

レベル4,5で認められるなら「病気、症状の改善、緩和、治療を行う、又は行える」旨の表示と、施術を行う旨の表示を禁止することができます。

これは利用者の声も含まれます(クロレラ裁判参照)。

 

研究会チラシのうち,細胞壁破砕クロレラ粒等を服用したことにより,「腰部脊柱管狭窄症(お尻からつま先までの痛み,痺れ)」「肺気腫」「自律神経失調症・高血圧」「腰痛・坐骨神経痛」「糖尿病」「パーキンソン病・便秘」「間質性肺炎」「関節リウマチ・貧血」「前立腺がん」等の症状が改善したとの体験談を記載した部分については,人の疾病を治療又は予防する効能効果があることを暗示するものであり,一般の消費者に対し,細胞壁破砕クロレラ粒等が医薬品であるとの誤認を引き起こすおそれがあるから,医薬品的な効能効果があると表示するものである。


レベル3なら種類を問わず、手技療法を行うことの表示を禁止できます。

 

レベル2なら整体やカイロプラクティックなど、具体的な療法を行うこと(事故情報が報告されているものに限る)の表示を禁止できます。

 

レベル1なら問診や検査法を行う旨の表示を禁止できる程度にとどまります。

 

なおクロレラ裁判では

景表法10条 1 号に基づき,当該表示の「停止若しくは予防に必要な措置」として別紙2に記載の広告を別紙3に記載の条件で1回配布することを求める。

 

と適格消費者団体が主張し、一審では認められています(一審判決後、問題とされた表現をした広告を被告が配布しなかったことから、二審以降は差止の必要を認めず)。

 

別紙2はこちら[PDF]

 

当社が「日本クロレラ療法研究会 解説特報」の表題で日刊新聞紙に折り込んだチラシには,下記の内容の不当景品類及び不当表示防止法10条1号の優良誤認表示がありました。今後は,優良誤認表示を行わないようにいたします。

 

 

不正競争防止法第3条第2項でも


"侵害の停止又は予防に必要な行為を請求することができる。

 

とあります。

 

というわけで、品質誤認惹起表示を行った旨の周知措置も求めたいと思います。

 

ホームページ上で品質誤認惹起表示をしていたのであれば、トップページに掲載していただきます。

JR北海道の安全に関する記載のように(JR北海道のは不正競争防止法や景品表示法に関する記述ではありませんが)。

 

タウン誌などの広告でも品質誤認惹起表示をしていたなら、タウン誌でも一回、周知広告を出していただきましょう。
 


第5回:要免許行為の表示の差し止めを求めるーその3(レベル1〜3)

JUGEMテーマ:整体

 

昭和35年の判例変更を求める訴訟案解説、第5回目となります。

 

第1回:不正競争防止法

第2回:品質誤認惹起表示(優良誤認表示)

第3回:要免許行為の表示の差し止めを求めるーその1(レベル5)

第4回:要免許行為の表示の差し止めを求めるーその2(レベル4)

 

差止請求内容別の難易度(レベル)の図になります。

差止請求レベル

 

 

レベル1〜3は現行の判例、すなわち「人の健康に害を及ぼすおそれのある行為」のみ禁止処罰する、という考えのもと、

何が「人の健康に害を及ぼすおそれのある行為」かを明確にする差止請求内容となります。

 

レベル1は問診や検査法といった細かい行為の表示の禁止となります。


これは問診や検査法を医行為とする判例があるので問題なく禁止できると思います。
行為や判例に関しては下記の記事でまとめて取り上げてます。

 

無免許業者が取り締まりを受けずに済む行為


レベル2は整体やカイロプラクティックなど、個々の療法を行うことの表示を禁止する内容となります。

 

根拠は消費者庁の事故情報データバンクのデータによります。

 

「整体」「カイロプラクティック」のor検索で、類義語を含み、負傷程度でまとめますと下図(2017年1月現在)のようになります。

 

事故情報

 


事故情報データバンクに健康被害が登録された療法は「人の健康に害を及ぼすおそれのある行為」である、という考えです。

しかし名前を○○セラピーとか○○トリートメントなどに変えられると禁止処罰を逃れられる可能性もあります。


レベル3は国民生活センターが手技療法に関しての健康被害の報告書を出していることを根拠とし、整体やカイロプラクティックなどに限らず、手技療法は「人の健康に害を及ぼすおそれのある行為」である、とする考え方です。

 

ただレベル3でも光線などを使う療法までは禁止処罰対象にできません。
事故情報があればレベル2で対応可能ですが。

 

昭和35年の判例変更が無理なら最低限、レベル2の判例は確保したいところです。

第6回:差止請求


第4回:要免許行為の表示の差し止めを求めるーその2(レベル4)

JUGEMテーマ:整体

第1回:不正競争防止法の概要
第2回:品質誤認惹起表示(優良誤認表示)
第3回:要免許行為の表示の差し止めを求めるーその1(レベル5)

 

 

前回は図のレベル5の差止請求について解説しました。

 

差止請求レベル

 

つまり医業類似行為の禁止処罰を人の健康に害を及ぼす虞の有無に関係なくするように判例変更を求めるわけです。

 

レベル4は差止請求内容はレベル5と同様になりますが、理由が異なります。

 

レベル5では判例変更が必要となりますが、裁判官というのはあまり違憲判断や判例変更をしたくないそうです。

 

というわけでレベル4は法改正によりあはき法の規制目的が変化したので判例変更では無く、新しい法律に対応した判例を求める、という形になります。

 

根拠とする法改正は昭和39年の改正であり、あはき法第19条、つまり視覚障害者に対する職域の保護規定になります。

あはき法19条の内容としては

当分の間、文部科学大臣又は厚生労働大臣は、あん摩マツサージ指圧師の総数のうちに視覚障害者以外の者が占める割合、あん摩マツサージ指圧師に係る学校又は養成施設において教育し、又は養成している生徒の総数のうちに視覚障害者以外の者が占める割合その他の事情を勘案して、視覚障害者であるあん摩マツサージ指圧師の生計の維持が著しく困難とならないようにするため必要があると認めるときは、あん摩マツサージ指圧師に係る学校又は養成施設で視覚障害者以外の者を教育し、又は養成するものについての第二条第一項の認定又はその生徒の定員の増加についての同条第三項の承認をしないことができる。

 

とあり、視覚障害者であるマッサージ師の生活が困窮しないように、晴眼者向けのマッサージ師養成校の設立の認可を拒否できる、としているわけです。

 

で、現在、養成校の認可を認められなかった学校が国を相手取り、19条は違憲である、として仙台、東京、大阪の各地裁で裁判を行っています。
http://mainichi.jp/articles/20160909/k00/00e/040/214000c

 

こういう経済的弱者の保護のために規制(積極目的規制)するのは合憲とする、小売市場の距離制限に関する判例があります。

 

養成校の裁判でも国は19条の合憲性の根拠としてこの最高裁判例を引用しております

 

というわけで、視覚障害者であるマッサージ師の生計維持のために、無免許業者による施術行為は禁止、とするのも積極目的規制論から許されるかと思います。

 

現行の19条の追加は昭和39年の法改正によってですから、昭和35年判決の後です。
つまり新しい法律に対する判例、という考えもあります。

 

判例変更を避けたがる裁判官に対して有効な考えかと思います。

 

しかしこのレベルでの判決は19条の合憲性に依存する判例です。

 

今の段階では19条は合憲であると言えますが、50年後はわかりません。
実際、視覚障害者のプログラマーなどもおられますし。

 

昭和35年判決からは50年以上経っていますが、その判例に縛られ、国民の安全は蔑ろにされているわけです。

このレベルでの判決はできれば避けたいところです。

第5回:要免許行為の表示の差し止めを求めるーその3(レベル1〜3)
第6回:差止請求


第3回:要免許行為の表示の差し止めを求めるーその1(レベル5)

 

このブログを初めてご覧になられる一般の皆様へ。

皆様にご理解いただきたいのは、このブログで提案してる訴訟を行う目的は、我々鍼灸マッサージ師などの権益確保のためではなく、患者さん、消費者などの国民を守るための訴訟である、ということです。


乳幼児に対する無免許マッサージで死亡事故が起きております(ずんずん運動事件)。
http://www.j-cast.com/tv/2015/10/27248975.html?p=all

 

死亡に至らなくても、整体やカイロなどの無免許施術で健康被害が生じていることが国民生活センターから報告されています。
http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20120802_1.html

 

本来、無免許での施術行為は禁止されているのですが、最高裁が昭和35年に、それらの禁止処罰を「人の健康に害を及ぼすおそれのある行為」のみに限定してしまったため、無免許施術が放置される状況を招いています。

 

なので昭和35年の最高裁判例を変えない限り、第2,第3のずんずん運動事件を防げませんし、無免許施術による健康被害も防げません。

 

国民を守るための訴訟であることをご理解いただければと思います。



前回まで

 

1回目:不正競争防止法の概略
2回目:品質誤認惹起表示(優良誤認表示)

 

と解説してきました。

 

2回めの記事で書いたように、この訴訟案は医療免許が必要な行為(要免許行為)の表示をもって、品質誤認惹起表示として広告などの差し止めや賠償請求を行う、というものです。

 

そして要免許行為をどこまで裁判所に認めさせることができるかが一番重要なポイントです。

 

で、レベル別に分け、要免許行為と根拠を示したのが下図になります。

差止請求レベル

 


目指すのはレベル5,つまり腰痛などの傷病の治療や予防を目的にした施術を行うことを、人の健康に害を及ぼす虞の有無に関わらず、要免許行為とすることです。

 

正確に言えば仙台高裁昭和28年(う)375で示された医業類似行為の定義に当てはまる行為を表示させないことです。

 

「疾病の治療又は保健の目的を以て光熱器械、器具その他の物を使用し若しくは応用し又は四肢若しくは精神作用を利用して施術する行為であって他の法令において認められた資格を有する者が、その範囲内でなす診療又は施術でないもの、」換言すれば「疾病の治療又は保健の目的でする行為であって医師、歯科医師、あん摩師、はり師、きゅう師又は柔道整復師等他の法令で正式にその資格を認められた者が、その業務としてする行為でないもの」ということになるのである。

 

つまり

「疾病の治療又は保健の目的を以て光熱器械、器具その他の物を使用し若しくは応用し又は四肢若しくは精神作用を利用して施術する行為」の表示の差し止め、

 

換言すれば


「疾病の治療又は保健の目的でする施術行為」の表示を差し止めるわけです。

 

そのような施術行為は医療免許の所持者にのみ認められる行為、とするわけです。

医師法第17条、あはき法第12条を文字通り解釈すればそうなるのですから。

 

 

ちなみに「保健]は「健康を保つこと」と解説されているのが多いですね。


そのためには昭和35年の最高裁判例の変更が必要となります
「人の健康に害を及ぼすおそれ」の有無に関わらず、医業類似行為は禁止処罰の対象である、と判例を変更するのです。


レベル4なら判例変更ではなく、法律の改正で解釈が変わった、という考えで同様の判例を得ることができますが、将来に禍根を残しかねません。

それはまた次の記事で。


第4回:要免許行為の表示の差し止めを求めるーその2(レベル4)
第5回:要免許行為の表示の差し止めを求めるーその3(レベル1〜3)
第6回:差止請求


第2回:品質誤認惹起表示(優良誤認表示)

JUGEMテーマ:広告

 

前回は不正競争防止法の概略について説明しました。
http://blog.kudo-massage.com/?eid=124


今回はこの訴訟案の核心部分である品質誤認惹起表示についてです。

経済産業省の説明の36、38頁目に書かれていたように、国や公的機関等による認定・保証の有無は品質に関わることです。

 


 

なので認証を受けていないにも関わらず、その認証を受けた旨を表示することは、例えその認証基準を満たしていたとしても品質誤認惹起表示となります。


判例としてはパンフレットにも取り上げられている清酒特級事件などがあります。
 

級別の審査・認定を受けなかつたため酒税法上清酒二級とされた商品であるびん詰の清酒に清酒特級の表示証を貼付する行為は、たとえその清酒の品質が実質的に清酒特級に劣らない優良のものであつても、不正競争防止法五条一号違反の罪を構成する。

 

1992年まで日本酒には級別があり、それによって酒税も変わっていたのです。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E9%85%92%E7%B4%9A%E5%88%A5%E5%88%B6%E5%BA%A6

 

 

というわけで国家資格(免許)を持っていないにも関わらず、国家資格を持っていると表示すれば当然のこと、品質誤認惹起表示となります。

 

では無免許にもかかわらず、要免許行為を行うことを表示していたらどうでしょうか?

 

不正競争防止法に関してはそのような判例を私は知りません。
しかし優良誤認表示に関して言えば医薬品でないクロレラの効果効能の表示が優良誤認表示と認められています

 

http://blog.kudo-massage.com/?eid=123

http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail4?id=84833

 

医薬品としての承認を受けていない被告商品について,医薬品的な効能効果がある旨を示す又は示唆する表示,一般消費者に対し,あたかも国により厳格に審査され承認を受けて製造販売されている医薬品であるとの誤認を引き起こすおそれがあるから,不当景品類及び不当表示防止法10条1項1号所定の優良誤認表示にあたる

 

優良誤認表示は消費者側から見た用語ですが、品質誤認惹起表示と大差はありません。

 

そういうわけで無免許業者が要免許行為を行うことを表示することは品質誤認惹起表示となると考えます。
 

(2017年2月1日追記)

無免許業者の店で「当店では医療行為やあん摩マッサージ指圧は行っておりません。」という注意書きがされていることがあります。

このような表現があると品質誤認惹起表示に問えないのではないか?と思う方もおられると思います。

 

しかしそのような表示を行う、ということは表示してある行為が医療行為やあん摩マッサージ指圧と紛らわしいという自覚を持っている証明でもあります。

 

わかりやすい記事が下記になります。

 

「NAVERまとめ」と著作権 LINEに法的責任を問えるか? 弁護士が考察する (3/5)

 

利用規約では第三者の権利を侵害する行為を禁止している(利用規約第3条)。また画像アップページでは「著作権や他人の権利を侵害する画像をアップロードした場合、利用規約および関連法規により処罰を受けることがあります」と明記している。もっともこの注意書きはNAVERまとめ自身が著作権侵害コンテンツがアップロードされる可能性が高い旨を認識していたことの裏返しともいえる(強調は筆者による)

 

記事で引用しているTVブレイク事件の判決文より。

 

原判決(筆者注:一審判決のこと)は,キーワード検索により,容量・時間ともに制約のないファイルを無料で簡単に視聴できる点,動画投稿が匿名でされ得ることが違法なアップロードを誘発する点,動画ファイル送信時に表示される警告及び会員規約の記載から,著作権を侵害する動画ファイルが送信される可能性が高いことを控訴人会社が認識していた点などを指摘する。

この判決文は知財高裁(二審)の判決文ですが、著作権侵害を認定された被告の控訴を棄却しています。

 

というわけで、これを読んだ無免許業者の皆様、医行為やあん摩マッサージ指圧と誤解を招かない表現をお願いします。

 


第3回:要免許行為の表示の差し止めを求めるーその1(レベル5)
第4回:要免許行為の表示の差し止めを求めるーその2(レベル4)
第5回:要免許行為の表示の差し止めを求めるーその3(レベル1〜3)
第6回:差止請求

 


第1回:不正競争防止法の概要

JUGEMテーマ:整体

(2017/01/28 20時追記)

このブログを初めてご覧になられる一般の皆様へ。

 

皆様にご理解いただきたいのは、このブログで提案してる訴訟を行う目的は、我々鍼灸マッサージ師などの権益確保のためではなく、患者さん、消費者などの国民を守るための訴訟である、ということです。

 

乳幼児に対する無免許マッサージで死亡事故が起きております(ずんずん運動事件)。
http://www.j-cast.com/tv/2015/10/27248975.html?p=all

 

死亡に至らなくても、整体やカイロなどの無免許施術で健康被害が生じていることが国民生活センターから報告されています。
http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20120802_1.html

 

本来、無免許での施術行為は禁止されているのですが、最高裁が昭和35年に、それらの禁止処罰を「人の健康に害を及ぼすおそれのある行為」のみに限定してしまったため、無免許施術が放置される状況を招いています。

 

なので昭和35年の最高裁判例を変えない限り、第2,第3のずんずん運動事件を防げませんし、無免許施術による健康被害も防げません。

 

国民を守るための訴訟であることをご理解いただければと思います。

(追記終わり)

 

さて、判例変更の法廷戦略を何回かに分けて説明しようかと思います。

手の内を明かすのは、より多くの鍼灸マッサージ師の先生方に、原告として参加していただきたいからです。

また理想通りにいかなければ2回、3回と訴訟を起こす必要があります。
そのときに全国の先生方にご協力願えればと思います。

 

今回は不正競争防止法の条文や規定について。

 

不正競争防止法は経済産業省が所管しております。
で、概要についてまとめたテキストが経済産業省のサイトにあります。

 

不正競争防止法の概要[PDF]

 

92ページもありますので、必要なところだけ。

表示で5頁目に不正競争防止法の目的が書かれております。
というより第1条ですね。

 

この法律は、事業者間の公正な競争及びこれに関する国際約束の的確な実施を確保するため、不正競争の防止及び不正競争に係る損害賠償に関する措置等を講じ、もって国民経済の健全な発展に寄与することを目的とする。

 

「事業者間の公正な競争」を確保し、「国民経済の健全な発展に寄与すること」が目的と言えます。

 

表示10頁目に「4.不正競争防止法の体系(法律の全体構成)」とあります。

 

 

 

私が考えている訴訟は7番目のサービス等の品質等の誤認惹起表示を差し止める裁判です。

で、民事的措置として

 

○差止請求権 (3条)
○損害賠償請求権 (4条)
○損害額・不正使用の推定等 (5条等)
○書類提出命令 (7条)

 

が取れるわけです。

 

誤認惹起表示に関する詳しい説明は35ページ目からです。

条文は第2条第1項第14号です。

 

商品若しくは役務若しくはその広告若しくは取引に用いる書類若しくは通信にその商品の原産地、品質、内容、製造方法、用途若し くは数量若しくはその役務の質、内容、用途若しくは数量について誤認させるような表示をし、又はその表示をした商品を譲渡し、引き渡し、譲渡若しくは引渡しのために展示し、輸出し、輸入し、若しくは電気通信回線を通じて提供し、若しくはその表示をして役務を提供する行為


36ページ目には広告の例として「新聞、雑誌、テレビ、インターネット上の広告、POP広告」とあります。

 

 

37頁目になります。

 

 


「民事上の請求権者」として「通常は、競争関係にある事業者が該当する。」と書かれており、整体やカイロなどの無免許業者に対しては我々、国家資格者である鍼灸マッサージ師はもちろんのこと、傷病の治療をうたっているのであれば病院、診療所も競合関係にあると言えます。

 

また医療免許保有者のみならず、無免許業者同士でも競合します。

 

「一般消費者には原則として請求主体性が認められない。」とありますが、景品表示法や消費者契約法に基づき、優良誤認表示の広告に対する差止請求や、契約の取消が認められるのはクロレラ裁判で示された通りです。

 

なので我々が無免許業者の優良誤認表示に対する判例を確立した後、消費者が訴訟を起こす事態も考えられます。

 

38ページ目には過去の判例が載っております。

 

 


この中で我々が参考にすべきは本みりんタイプ調味料事件、清酒特級事件です。

 

級別の審査・認定を受けなかったために旧酒税法上「清酒二級」 とされた商品であるビン詰の清酒に「特級清酒」の表示証を貼付する行為は、たとえその清酒の品質が実質的に特級清酒に劣らない優良なものであっても、誤認惹起行為に当たるとした。(清酒特級事件-最判昭53.3.22)

解説にも

国や公的機関等による認定・保証等があるかのように装った表示は、実質的にはその認定基準等を満たした品質・内容であっても該当する場合がある。

 

とあります。

 

クロレラ裁判では医薬品とは名乗っていませんでしたが、医薬品にしか認められない効能効果の表示が優良誤認表示と認定されたわけです。

そのため要免許行為を行う旨の表示も優良誤認表示、品質誤認惹起表示と言えるでしょう。


で、48ページ目から「民事上の措置の概要」です。
上記のように

 

○差止請求権 (3条)
○損害賠償請求権 (4条)
○損害額・不正使用の推定等 (5条等)
○書類提出命令 (7条)

 

が品質誤認惹起表示では使えます。

 

差止請求は第3条でして

 

不正競争によって営業上の利益を侵害され、又は侵害されるおそれがある者は、その営業上の利益を侵害する者又は侵害するおそれがある者に対し、その侵害の停止又は予防を請求すること及び侵害の行為を組成した物の廃棄等を請求することができる。

 

とあります。なのでホームページ上から品質誤認惹起表示となる表現の削除を求めることができます

 

そして損害賠償請求です。

 

故意又は過失により不正競争を行って他人の営業上の利益を侵害した者に対して、損害賠償を請求することができる。

 

この損害額の推定のために第5条の規定があり、「侵害行為により侵害者が得た利益の額」が被侵害者の損害となります(49頁)。

要免許行為を行うことを広告しての利益ですからほとんどの利益と言えるでしょう。

 

そして第7条では

裁判所は、当事者の申立てにより侵害行為について立証するため又は損害の計算をするため必要な書類の提出を命ずることができる。

 

とあり、不正競争で得られた利益の立証が容易になります(51頁)。

 

無免許業者に対し、品質誤認惹起表示(優良誤認表示)による損害賠償を求める場合、確定申告書などの会計書類を求めることができるわけです。

 

もし地域内の国家資格者が全員原告になった場合、それまでの利益を全額、損害賠償として無免許業者に払わせることも可能です
 

昭和35年の判例を変更するために用いる不正競争防止法の内容は以上になります。

 


第2回:品質誤認惹起表示(優良誤認表示)
第3回:要免許行為の表示の差し止めを求めるーその1(レベル5)
第4回:要免許行為の表示の差し止めを求めるーその2(レベル4)
第5回:要免許行為の表示の差し止めを求めるーその3(レベル1〜3)
第6回:差止請求


医事法規と優良誤認表示

JUGEMテーマ:広告

 

ブログの更新は久々となります。
山形市での訪問マッサージなら工藤はりきゅうマッサージ治療院、
院長の工藤 司です。

こんなニュースがありました。

 

健康食品チラシ、広告も差し止め対象 最高裁が初判断

http://www.sankei.com/affairs/news/170124/afr1701240034-n1.html

 

広告が消費者契約法上の「勧誘」に該当するか否かが争われました。
「勧誘」に当たるかどうかで、優良誤認表示の広告による消費者被害への対応が変わってしまいます。
で、最高裁は「広告」が「勧誘」にあたる場合もある、と判断したわけです。

そんなわけで消費者団体、消費者行政界隈ではこの判決は大きなニュースです。

 

その辺は私よりも消費者問題に詳しい弁護士の記事のほうがわかりやすいと思います。

 

広告も消費者契約法上の「勧誘」に含まれるとの新判断(最高裁)
http://stuvwxyz.cocolog-nifty.com/blog/2017/01/post-4e24.html

クロレラチラシ配布差止請求事件の控訴審判決

http://stuvwxyz.cocolog-nifty.com/blog/2016/03/post-3333.html

 

また事業者側にとっても影響は大きいわけです。

 

ネット通販&広告業界などは影響大? 「広告も『不当勧誘』の取消対象」の最高裁判断とは

https://netshop.impress.co.jp/node/3921

 

 

当業界の関係で言えばホームページ上の表示が優良誤認表示等の場合、施術契約を取り消せることになります。
また適格消費者団体が表示の削除や優良誤認表示をした旨の告知を求めることもできます。

 

ただ、私が注目するのはこの裁判の一審判決です。
判決文はこちら。

http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail4?id=84833

 

裁判所の判断を示したところだけ抜粋します。
強調や下線などは筆者による。
読みやすくするために条数表示なども省略もしますので、詳しく知りたい方は判決文本文をお読み下さい。

 

 

第4 研究会チラシの優良誤認表示該当性について

 

 1 前記のとおり,不当表示規制の趣旨は,商品を購入させるための不当な誘導を社会から排除し,一般消費者の適正な商品又は役務の選択を確保することにあるから,商品の内容について「実際のもの...よりも著しく優良であると誤認される表示」をしたか否かは,業界の慣行や事業者の認識ではなく,表示の受け手である一般消費者の認識により判断されるべきである。 また,同条の「著しく」とは,当該表示の誇張の程度が,社会一般に許容されている程度を越えて,一般消費者の商品選択に影響を与える場合をいうと解される。

 

 2 わが国では,医薬品が,国民の保健衛生上極めて重要であることに鑑み,医薬品の使用によってもたらされる国民の健康への積極的,消極的被害を未然に防止し,その品質,有効性及び安全性を確保するため,薬事法により,医薬品は品目ごとにその製造販売について厚生労働大臣の承認を受けなければならず ,その承認をする際には,その品質,有効性及び安全性に関する調査が行われ,申請に係る効能又は効果を有するか否かを厳格に審査されている。


この承認を受けることなく医薬品を製造販売することはできず,これに違反した場合には刑罰を科せられる。 さらに,承認を受けていない医薬品につき,その名称,製造方法,効能,効果又は性能に関する広告をすることはできず,これに違反した場合 にも刑罰が科される。

 

なお,ある商品について「成分,形状,名称,その物に表示された使用目的・効能効果・用法用量,販売方法,その際の演述・宣伝などを総合して,その物が通常人の理解において」医薬品と認められるならば,客観的に薬理作用を有するものでないとしても,薬事法68条や85条の適用上は医薬品と解される(最高裁判所昭和57年9月28日第三小法廷判決・刑集36巻8号787頁参照)。したがって,医薬品と銘打って販売されているわけではない商品であっても,医薬品的な効能効果を謳って製造販売されれば,通常,薬事法68条の禁止に触れ,薬事法85条で処罰の対象とされることが多い。

 

 3 このように,わが国では,薬事法が制定された昭和35年以降,医薬品は厳格に規制され,国による厳格な審査を経て承認を得なければ製造販売することはできず,承認を受けていない医薬品は医薬品的な効能効果を表示することが刑罰をもって禁止されてきたのであるから,

 

^緻品的な効能効果を表示する商品があれば,当該商品が当該効能効果を有することについて国の厳格な審査を経た医薬品であり,

 

通常の事業者であれば,承認を受けた医薬品でない商品について医薬品的な効能効果を表示して販売しないであろうという社会通念が形成されているというべきである。 

 

そうすると,医薬品としての承認がされていない商品について,医薬品的な効能効果が表示されている場合,当該表示は,一般消費者に対し,当該商品があたかも国により厳格に審査され承認を受けて製造販売されている医薬品であるとの誤認を引き起こすおそれがあるから,優良誤認表示にあたると認めるのが相当である。

 

そこで,次に,研究会チラシの表示内容は,医薬品的な効能効果があると表示するものかを検討する。 

 

4 研究会チラシのうち,細胞壁破砕クロレラ粒等を服用したことにより,

「腰部脊柱管狭窄症(お尻からつま先までの痛み,痺れ)」「肺気腫」「自律神経失調症・高血圧」「腰痛・坐骨神経痛」「糖尿病」「パーキンソン病・便秘」「間質性肺炎」「関節リウマチ・貧血」「前立腺がん」

等の症状が改善したとの体験談を記載した部分については,人の疾病を治療又は予防する効能効果があることを暗示するものであり,一般の消費者に対し, 細胞壁破砕クロレラ粒等が医薬品であるとの誤認を引き起こすおそれがあるから,医薬品的な効能効果があると表示するものである また,それ以外の記載,すなわち「薬効のある食品であること」や「病気と闘う免疫力を整える」「神経衰弱・自律神経失調症改善作用」等の効用があることを記載した部分についても,人の疾病の治療又は予防を目的とする効能効果があることや,単なる栄養補給や健康維持を超え,身体の組織機能の意図的な増強増進を主たる目的とする効能効果があることを標榜するものであることは明らかであり,一般の消費者に対し,細胞壁破砕クロレラ粒等が医薬品であるとの誤認を引き起こすおそれがあるから,医薬品的な効能効果があると表示するものである。 

 

5 以上のとおり,研究会チラシによる前記第1の5に掲記認定の説明は,医薬品としての承認を受けていない細胞壁破砕クロレラ粒等の被告商品につき, 医薬品的な効能効果があると表示するものであり,一般の消費者に対し,細胞壁破砕クロレラ粒等の被告商品があたかも国により厳格に審査され承認を受けて製造販売されている医薬品であるとの誤認を引き起こすおそれがある。 また,上記のような表示は,商品の宣伝広告として社会一般に許容される誇張の限度を大きく踏み越えるものである。

 

したがって,研究会チラシの説明は,景表法10条1号所定の「商品...の内 容について,実際のもの...よりも著しく優良であると誤認される表示」として優良誤認表示にあたる。

 

 6 これに対し,被告は,原告がクロレラやウコギの効能効果が存在しないことを科学的に立証するのでなければ,研究会チラシによる説明が優良誤認表示にあたるとは認められないはずであると主張する。

 

しかし,細胞壁破砕クロレラ粒等の被告商品は,医薬品として製造販売するための承認を受けていない。したがって,研究会チラシが説明するような医薬品的な効能効果があろうがなかろうが,研究会チラシは,一般の消費者に対し,当該効能効果が国による厳格な審査を経ているかのごとき誤認を発生させるおそれがあり,商品を購入させるための不当な誘導となり,一般の消費者の商品選択に不当な影響を与えるのである。

 

したがって,医薬品的な効能効果を謳う商品の場合,景表法10条1号所定の優良誤認表示にあたるかどうかを判断するに際し,当該効能効果の有無を問うまでもないのであって,被告の当該主張は採用できない。

 

第5 結論 

 

1 以上に認定説示のとおりであって,被告は,研究会チラシを配布することにより,被告商品の内容について優良誤認表示を行ったと認められる。

 

 2 前記第1に認定の事実関係に照らせば,被告は,今後も,自己又は第三者を して,被告商品の内容について別紙1に記載の優良誤認表示を行うおそれがあると認められるから,原告は,景表法10条1号に基づき,被告に対し,別紙1に記載の優良誤認表示の差止め及び別紙1の行為が優良誤認表示である旨の 周知措置の履行を求めることができる。

 

 3 よって,原告の請求はいずれも理由があるからこれを認容することとし,訴訟費用につき民訴法61条を適用し,仮執行宣言は相当ではないからこれを付さないこととして,主文のとおり判決する。

 

 

一審の判決をわかりやすくすると

 

国の承認を得た医薬品にしか認められない、効果効能の広告を行った。

効果効能を表示している以上、薬事法で規制している医薬品である。

クロレラは医薬品としての承認は受けていない。

効果効能の広告は優良誤認表示である。

 

こんな感じになります。

 

この裁判では薬事法と景品表示法の問題ですが、医事法規と優良誤認表示という点では私が考えている、医師法、あはき法と不正競争防止法(品質誤認惹起表示)による訴訟と共通します。

 

「ある行為」を行うことをホームページ上で書いた。

「ある行為」は国家資格者にしか認められていない行為である。

そのホームページの施術所は無資格施術所である。

「ある行為」を行うことの広告は優良誤認表示である。

 

というわけです。

 

「ある行為」がどういう行為になるかは下図の「差止請求する表示内容」に書かれている行為です。
 

差止請求レベル

 

「ある行為」が要免許行為なら普通の人は無免許だとは思わないわけです。

 

だいぶ長くなりましたので説明はまた今度に。


 


詐欺と医師法違反

最近、医師法違反と詐欺で有罪の判決がありました。

 

治療費だまし取る 偽医師に有罪判決 地裁 /香川

 

この事件は医師と偽った点が医師法違反(第18条)かと思われます。

 

さて、詐欺と医師法違反というと下記の判例があります。

医師法違反,詐欺被告事件札幌地方裁判所平成16年10月29日判決平成15(わ)52

 

 

医師資格を持たない被告が虹彩診断で内臓に病気があるなどと告げ、治療費をだまし取っていた事件です。

判例的には無効な治療の詐欺に関する点が重要だったりしますが、当業界においては病名診断を行ったことが医師法違反とされたことが大きいでしょう。

 

判決文より。

第3 被告人の行為が医行為にあたるか。

 1 弁護人は,被告人が眼球虹彩診断に用いた機器は,細隙機能(光源を狭く細くする機能)を有しないものであり,医療機器である細隙灯顕微鏡(スリットランプ)ではないし,被診断者の疾患についての最終判断はアメリカで下しているから,被告人の行為は医行為にあたらないと主張する。

 

 そこで検討するに,被診断者らの証言など関係証拠によれば,被告人は,平成12年1月27日ころから同月31日ころにかけて,前記B1ホテル1140号室において,スリットランプ様機器(以下「本件機器」という。)を用いて,被診断者の目に至近距離から光を当てて虹彩の拡大写真を撮影し,その写真を同機器に接続されたテレビ画面に映し出したり,ビデオコピー機でプリントアウトしたりした上,虹彩の写真を指し示しながら,合計18名の被診断者に対し,現在妊娠しているなどとその身体症状を告知したり,子宮がんなど具体的な疾患に現在罹患している,あるいは将来罹患する可能性があるなどと告知し,うち16名に対しては,自己が処方する薬を服用するよう勧めたことが認められる。

 

 2 以上認定したとおり,被告人は,日本国内において,虹彩等の拡大写真を撮影する機能を有する本件機器を用いて被診断者の目を至近距離から撮影し,虹彩の拡大写真を指し示しながら,被診断者に対し,その身体症状や,現在罹患しているか将来罹患するおそれのある疾患について具体的な病名を告知しているのであって,被告人の上記行為は,医師が行うのでなければ保健衛生上危害を生ずるおそれのある行為であるといえ,医師法17条にいう医業の内容となる医行為にあたると認められる。本件機器が細隙灯顕微鏡(スリットランプ)であるか否かによって,上記結論が左右されるものではない。

 

目に光を当てて、画像で診断していたようです。

それで身体症状や疾患を告知しているわけです。

 

なお、この判決では検査法自体の安全性については争っていない模様です。

弁護士は検査法の危険性の無さを主張しても無意味と判断したのでしょう。

富士見産婦人科病院事件の医師法違反の判例がありますから。

 

 

この判例のメリットは裁判所のウェブサイトで無料で読めることです。

 

なので検査による身体症状の告知が医行為であることを示すには便利かもしれません。

 

JUGEMテーマ:整体


無免許業者が取り締まりを受けずに済む行為

JUGEMテーマ:整体

 

今まで、医師法違反などのを判例を紹介し、どのような場合に裁判所が違法行為と判断するのかを解説してきました。

なのでまとめます。
それぞれの根拠となる判例などは各記事をご参照下さい。

 

まず訓練などにより習熟したとしても医師法違反は免責されません。
逆に言えば、安全性の確保のために習熟が必要な行為は医行為と言えます。

 

そのため、無資格で行って良い施術は訓練などをしなくても安全性を確保できる行為に限定されます

 

技能に習熟していても医師法違反は免責されない。

 

なので無免許業者が教育や認定を安全性の理由にあげることは自ら医師法違反を告白しているか、他の無免許業者よりも優良である誤認を招く表示と言えます。

 

上記の記事中の判決では、医師法違反で処罰するのには抽象的な危険性で十分としています。

 


また医業類似行為に関する昭和35年の最高裁判決の前に出された、歯科医師法違反の最高裁判決では
歯科医師以外に歯科医行為を禁止する理由として

 

"保健衛生上危害を生ずるのおそれなきを保し難いという理由に基いている"

 

とし、歯科医師法第17条の規定は職業選択の自由を定めた憲法に反しない、としています。

 

無免許業者に許される行為は、保健衛生上危害を生じるおそれが無いことを保てる施術に限定される。

 

そのため無資格者に許される行為は絶対に危害が生じないことが条件です

 

抽象的な危険でも医師法違反になります。
施術を受けた人が健康被害を具体的に訴えた施術は絶対的な安全性が確保されていないため違法と言えます。
現在は事故情報データバンクに施術事故も掲載されます。

 


 

そして、来院者、来店者に来院来店目的や症状、既往歴などを聞くのは問診であり医行為です

 

問診は医行為である。

 

目的を聞かないとどう施術すべきか、わからない気もしますが、目的を聞くと称して、症状などを聞くこともあるので仕方ありません。

 

誰に対しても同じ施術をするか、メニュー表を用意して対応すべきでしょう。

 

症状、病歴を聞けないということはまず禁忌症の判断もできません。
なので禁忌症がある行為も禁止です。

出血ややけど、開放性骨折なら素人でも判断できるでしょうが。

 


 

問診ができなければ検査法で原因を調べよう、と考えますが、

無資格者は検査法を行って、具体的な身体所見を患者さんに告知することは許されません。

たとえ検査方法自体が無害な方法であってもです。


検査法と所見告知の医行為性
 

鍼灸マッサージ師がやっていいこと、ダメなこと。

 

無資格者は問診や検査法が禁じられているため、患者さんがどのような状態か、把握するのは困難です。
なので行える施術は誰に対して行っても安全な施術に限定されます。

 

そして安全のために訓練が必要な行為も禁止されています。

 

なので無資格で行える行為は機械的に行っても安全な施術、言い換えれば安全のために施術者の判断が不要な行為に限定されます。

 

そのことは富士見産婦人科病院事件の保健師助産師看護師法違反の判決からも読み取れるでしょう。

 

無免許業者に許される行為は機械的に行っても安全性が確保される行為に限定される。

 


 

以上のことから無資格者が独立判断で許される施術行為は、

 

訓練や教育を受けてない者(主語)が、
素人では判断がつかない病気を持った者(目的語)に対して
機械的に行っても
健康被害が全く生じない施術行為

 

に限定されます。

 

さすがに出血や開放性骨折など、素人でもひと目で施術してはいけないと判断できる方は除きます。

 

実態はこれらの禁止事項は守られていませんが、それらが違法行為であることは判例が示しています。

 

本当は厚生労働省が通知で医師法違反の例として通知していただければ私がわざわざ書かなくても済むのですが。



calendar

S M T W T F S
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930     
<< September 2019 >>

selected entries

categories

archives

recent comment

links

profile

書いた記事数:131 最後に更新した日:2019/05/23

search this site.

others

mobile

qrcode

powered

無料ブログ作成サービス JUGEM