マッサージや手技療法の健康被害に関する報道に対して思うこと。

JUGEMテーマ:整体
先日のクローズアップ現代に引き続き、昨日(3月3日)にTBSのあさチャン!という番組でも手技療法の健康被害に関する特集が組まれていました。

この2つの番組を見て、欠けている点などを。

1.民間資格と称する無免許業者が営業できる根拠となっている昭和35年の最高裁大法廷判決に触れていない点。



この判決が無ければ無免許業者が野放しになることもなかったのです。

で、この判決では無免許での医業類似行為(整体やカイロプラクティックなど)を禁止処罰する条件として「人の健康に害を及ぼすおそれがある行為」というのがあります。

逆に言えば無免許で禁止処罰されずに済む(認められた、では無い)施術行為は「人の健康に害を及ぼすおそれが無い行為」に限定されます。

「最高裁判決により「人の健康に害を及ぼすおそれが無い行為」に限定して無免許での施術が処罰されない。」
と一言、解説していただければ良いのですが。

このような解説をつけると健康被害を出している無免許業者の施術が違法施術であることが視聴者にもわかってしまいますが、何か問題でもあるのでしょうか?

それとも最高裁判決なんか出しても判例の重要性を視聴者が理解できない、ということなのでしょうか?
先日の認知症患者の鉄道事故に関する損害賠償請求で最高裁判決が注目を集めたように、最高裁の意義が視聴者に理解されていないとは思わないのですが。


2.「整体などは国家資格が無くてももできる」といった表現。


正しくは

「人の健康に害を及ぼすおそれが立証されない限り、整体などは国家資格が無くても処罰されない。」
となります。

昭和35年の判決では「禁止処罰」という文言は使っていますが、「禁止」と「処罰」を別々にはせず、「禁止処罰」という単語を使っているわけです。

まあ禁止してなければ処罰もありえないので「禁止処罰」=「処罰」と解せます。

「可罰的違法性」という法律用語があります。
違法行為だけど罰するべきほど悪質かどうか、という時に使われる言葉です。

日本国の法律には禁止規定のみが存在し、罰則規定が存在しない条文もあります。
例えば売春防止法の第3条。

”何人も、売春をし、又はその相手方となつてはならない。”

ところが売春行為をした女性自身、あるいは買春をした人に対して罰則はないのです。
売春防止法で罰則が適用されるのは売春をさせたり、周旋、勧誘などをした者に限定されているのです。
「処罰されない」=「できる」
ということであれば日本国では「売春自体はできる。」ということになります。
でも普通、こういうときは「売春自体は罰せられない」という表現をしませんか?

これは未成年の飲酒喫煙も同様です。
未成年者飲酒禁止法未成年者喫煙禁止法も未成年の飲酒喫煙自体に罰則は無いのです。
(法律自体がカナ表記で読みにくいのでリンクはwikipediaの記事です。)

罰則が無いからといって、「未成年の飲酒喫煙は可能」と公の場で言ってる人はいないでしょう。

特にテーマが手技療法などによる健康被害であり、健康被害が生じた時点で無免許施術は処罰対象になることが確定ですから

×「国家資格がなくてもできる。」

ではなく

「人の健康に害を及ぼすおそれが立証されない限り、国家資格がなくても処罰されない。」

と正しく報道していただきたいものです。

3.被害割合に関して正確に報道して欲しい。


国家資格の有無に関わらず、健康被害が生じている、と報道されますがちゃんと国民生活センターの報告書を読んでいただきたい。

国民生活センターの報告書[PDF注意]


この報告書の6ページ目に。

"これらの施術のうち、法的な資格制度がない施術である「整体」、「カイロプラクティック」、「矯正」という語句を含む相談を合わせると 366 件(44.4 %)であった。
 一方、国家資格を持つ者のみ行うことができる施術を受けたと明らかに判別できる相談は、「接骨院や整骨院での施術」(112 件)と「指圧」という語句を含む相談(27 件)の合計 139件(16.8 %)であった。「マッサージ」という語句を含む相談の一部も法的な資格制度に基づく施術であると考えられるが、法的な資格制度に基づく施術の相談は、法的な資格制度がない施術の相談に比べて少ないと考えられた。 "


と記述されており、無免許業者が44.4%、国家資格者のいる施術所での割合が16.8%です。
国家資格者のうち、接骨院(柔道整復師)が13.6%、指圧が3.3%です。

番組では接骨院でカイロプラクティックの頚椎スラストを受けて被害にあった、ということですが接骨院を運営する柔道整復師の免許の範囲は捻挫・打撲・骨折・脱臼・挫傷への施術であり、肩こりなどの慢性疾患は対象ではありません(民主党統合医療を普及・促進する議員連盟「第14回柔道整復師小委員会」における厚生労働省保険局医療課保険医療企画調査室長・屋敷次郎氏の答弁より。)。
ましてやカイロプラクティックを行う免許ではないため、国家資格である柔道整復師による施術であっても無免許施術に分類していただきたいところです。

なので国家資格者がその免許の範囲で行った業務に限ればさらに割合が低くなるのです。

割合に言及せずに「国家資格の有無に関わらず健康被害が生じている。」だけでは国家資格者の安全性が無免許業者の安全性と変わりない、と言っているようなものであり、偏向報道も甚だしい
ナレーションの時間がなければ国民生活センターの報告書にある円グラフを国家資格の有無に分けて表示すれば良いのです。

国家資格者(免許所持者)と無免許業者の安全性の違いは図のような感じとなります。




安全性の確保において大事なのは底辺の安全性レベルが問題となります。
無免許業者から選ぶ場合、赤のゾーンを選ぶリスクを考慮しなくてはいけません。



工藤はりきゅうマッサージ治療院
http://kudo-massage.com

お問い合わせは施術時間にかかわらず
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あるいは
TEL: 023-641-0124
まで。
 

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