消費者庁の発表資料「法的な資格制度がない医業類似行為の手技による施術は慎重に」について

JUGEMテーマ:整体

 

昨日(2017年5月26日)、消費者庁から

法的な資格制度がない医業類似行為の手技による施術は慎重に[PDF] 

という資料が公表されております。

 

以前に国民生活センターから発表された報告書、

 

手技による医業類似行為の危害−整体、カイロプラクティック、マッサージ等で重症事例も−[PDF]

 

では国家資格者の施術による被害と、無免許業者による被害の区別が曖昧だったのに対し、今回の公表資料は「法的な資格制度がない医業類似行為の手技」と無免許業者による健康被害である旨、明確にしています

きっと調査の精度を上げたのかと思います。

 

また医業類似行為として「リラクゼーションマッサージ」も入れています。

よく治療目的でなく、慰安目的であるリラクゼーションなら無免許でも大丈夫、という風説が流れていましたが、「リラクゼーション」は医業類似行為であり、人の健康に害を及ぼすおそれがあれば禁止処罰の対象になる旨、明らかになりました。

 

さて、国民生活センターの報告書は2007年(平成19年)から2012年(平成24年)6月末までの約5年間に寄せられたデータを集計し、危害情報が825件としています。

国家資格者による危害情報は139件(16.8%)で、接骨院が112件(13.6%)、指圧が27件(3.3%)でした。
国家資格の有無が不明として「マッサージ」「○○マッサージ」の危害情報が281件(34.1%)、
カイロプラクティックや整体などの無免許施術による危害情報が366件(44.4%)でした。

 

今回の消費者庁の公表資料においては2009年(平成21年)9月1日から2017年(平成29年)3月末までの7年半のデータで、無免許施術のみのデータになります。

 

そして危害情報のみで1,483件となり、一ヶ月以上の治療期間を要する事故が240件(約16%)となっております。

推移は下記図になります。

 

 

平成24年に事故件数が一気に増えていますが、このときに国民生活センターによる報告書が発表され、国民に周知されることにより、報告が増えたと思われます。

 

そして各手技療法と治療期間のグラフになります。

 

 

どの療法でも一ヶ月以上の治療期間が必要な健康被害が発生しております。
また神経・脊髄損傷の件数が最も多くなっております。

 

数千回の施術で被害が無くても危険性が否定されないのはズンズン運動事件民事裁判で示されたとおりです。

 

身体機能回復指導が本件事故までに数千回行われている実績があるとしても,その危険が現実化しなかったに過ぎず,数千回に及んで身体機能回復指導が行われたことをもって,被告らにおいて同施術の危険性の予見ができなかったとはいえない。

 

よってこのグラフに書かれている、「整体」「リラクゼーションマッサージ」「カイロプラクティック」「リンパ・オイル・アロママッサージ」「骨盤・小顔矯正」「リフレクソロジー」はすでに危害情報があるのですから「人の健康に害を及ぼすおそれのある行為」であり、無免許で行えば違法であるのは明らかです。


で、6ページ目の「4.消費者の皆様へ」なのですが誤りがあります。

 

「整体」、「カイロプラクティック」、「リラクゼーションマッサージ」などの法的な資格制度がない施術を受ける際は、以下の点に気を付けましょう。

 

とあり

<施術前>
1) 疾病がある方は施術を受ける前に医師に相談しましょう。
・ 疾病(例えば:心疾患、けい椎脊索狭さく症、骨粗しょう症など)がある方は、症状によっては、施術によって症状がひどくなってしまう場合もあります。施術を受ける前に医師に相談しましょう。

2) 情報を見極めて施術や施術者を慎重に選びましょう。
・ 施術には有資格のあん摩マッサージ指圧及び柔道整復もあり、あん摩マッサージ指圧の国家資格を持っている人は、資格証などで確認できます 。
・ 法的な資格制度がない手技を含むいわゆる「統合医療」は多種多様であり、玉石混交とされています。施術を受ける前によく情報を見て判断しましょう。


とありますが、医師に相談する必要がある時点で、医行為の「医師の医学的判断及び技術をもってするのでなければ人体に危害を及ぼし、又は危害を及ぼすおそれのある行為」にふれます。
医師の判断を求めているわけですから。

 

また持病がひどくなる可能性がある施術行為自体、「人の健康に害を及ぼすおそれのある行為」です。

 

なのでどうしても無免許の施術を受けたいときには
「誰に行っても安全な施術であることを医師によって証明されていますか?」と聞くべきです。

 

すでに危険性を示す公的な情報がある以上、同様の施術を行っている業者が医師による安全証明を受ける必要が有るのもズンズン運動事件民事訴訟で示されています。

被告Dは,これまで,医師等の専門家に本件法人の顧問を依頼したり,身体機能回復指導について医師等の監修を受けてその指導・助言を得たりしたこともなく,被告D自身,マッサージの資格を取得したとか,医学的知識を有していたとも認められないのであるから,被告Dによる身体機能回復指導の施術であれば,乳児の窒息等の危険がないという被告Eの主張は,何ら具体的根拠のない独自の見解にすぎない。

 

そんなわけで2)で書かれているように、国家資格者は資格証で確認可能ですので、国家資格の施術所を選び、資格証を見せてもらいましょう。

 

あん摩マッサージ指圧師、はり師及びきゅう師と無資格者との判別のためのリーフレット 厚生労働省[PDF]

 

で、施術中ですが

 

<施術中>
3)施術を受ける際は、施術者に自分の体調や希望をしっかりと伝えましょう。
・ 今までの既往症や現在の体調について、また、どのような施術を受けたいのかなどを、施術者にしっかりと伝えましょう。継続して施術を受ける場合は、現在の体調等とともに、前回の感想などを伝えることも大切です。
・ 施術中に不安な事があれば、その場で確認しましょう。また、痛みや違和感、不快感などを感じた場合は、すぐに施術者に伝えましょう。

 

既往症を聞くことは問診であり、医行為であり、無免許業者には許されません。

既往症の聴取が必要な施術自体が「人の健康に害を及ぼすおそれのある行為」です。

 

問診は医行為である。

体調が悪くなったら施術の中止を申し出て、料金の返還を求めましょう。

<施術後>
4)施術を受けた後で異常を感じた場合は、すぐに施術を受けた施設や運営者に伝え、なるべく早く医師に相談しましょう。
・ 異常を感じた際、「好転反応」などと言われてそのままにしたり、継続して施術を受けたりすると、症状が悪化する場合があります。施術を一旦中止し、医師に相談しましょう。

5)トラブルの解決が困難な場合は、お近くの消費生活センター等に相談しましょう。

 

施術後に関しては正しいです。
とくに健康被害を受けたことを証明するためには医師の診断書が必要であり、施術から時間が経った場合、因果関係立証が困難になります。
そしてかならず消費生活センターや警察に報告してください。

警察は1件ぐらいの情報では動かないようですが、さすがに複数の被害情報があれば動くようです。

 

本来であれば無免許施術は受けるべきではない、と発表するのが国民の安全のためには良いのです。
それに制限をかけているのが昭和35年の最高裁判決であり、この判例を変えない限り、また無免許施術による被害者が出るわけです。

 

国民生活センターの報告書が出された平成24年よりも後でも無免許施術による健康被害が発生しているのですから。
 


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