第4回:要免許行為の表示の差し止めを求めるーその2(レベル4)

JUGEMテーマ:整体

第1回:不正競争防止法の概要
第2回:品質誤認惹起表示(優良誤認表示)
第3回:要免許行為の表示の差し止めを求めるーその1(レベル5)

 

 

前回は図のレベル5の差止請求について解説しました。

 

差止請求レベル

 

つまり医業類似行為の禁止処罰を人の健康に害を及ぼす虞の有無に関係なくするように判例変更を求めるわけです。

 

レベル4は差止請求内容はレベル5と同様になりますが、理由が異なります。

 

レベル5では判例変更が必要となりますが、裁判官というのはあまり違憲判断や判例変更をしたくないそうです。

 

というわけでレベル4は法改正によりあはき法の規制目的が変化したので判例変更では無く、新しい法律に対応した判例を求める、という形になります。

 

根拠とする法改正は昭和39年の改正であり、あはき法第19条、つまり視覚障害者に対する職域の保護規定になります。

あはき法19条の内容としては

当分の間、文部科学大臣又は厚生労働大臣は、あん摩マツサージ指圧師の総数のうちに視覚障害者以外の者が占める割合、あん摩マツサージ指圧師に係る学校又は養成施設において教育し、又は養成している生徒の総数のうちに視覚障害者以外の者が占める割合その他の事情を勘案して、視覚障害者であるあん摩マツサージ指圧師の生計の維持が著しく困難とならないようにするため必要があると認めるときは、あん摩マツサージ指圧師に係る学校又は養成施設で視覚障害者以外の者を教育し、又は養成するものについての第二条第一項の認定又はその生徒の定員の増加についての同条第三項の承認をしないことができる。

 

とあり、視覚障害者であるマッサージ師の生活が困窮しないように、晴眼者向けのマッサージ師養成校の設立の認可を拒否できる、としているわけです。

 

で、現在、養成校の認可を認められなかった学校が国を相手取り、19条は違憲である、として仙台、東京、大阪の各地裁で裁判を行っています。
http://mainichi.jp/articles/20160909/k00/00e/040/214000c

 

こういう経済的弱者の保護のために規制(積極目的規制)するのは合憲とする、小売市場の距離制限に関する判例があります。

 

養成校の裁判でも国は19条の合憲性の根拠としてこの最高裁判例を引用しております

 

というわけで、視覚障害者であるマッサージ師の生計維持のために、無免許業者による施術行為は禁止、とするのも積極目的規制論から許されるかと思います。

 

現行の19条の追加は昭和39年の法改正によってですから、昭和35年判決の後です。
つまり新しい法律に対する判例、という考えもあります。

 

判例変更を避けたがる裁判官に対して有効な考えかと思います。

 

しかしこのレベルでの判決は19条の合憲性に依存する判例です。

 

今の段階では19条は合憲であると言えますが、50年後はわかりません。
実際、視覚障害者のプログラマーなどもおられますし。

 

昭和35年判決からは50年以上経っていますが、その判例に縛られ、国民の安全は蔑ろにされているわけです。

このレベルでの判決はできれば避けたいところです。

第5回:要免許行為の表示の差し止めを求めるーその3(レベル1〜3)
第6回:差止請求


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