健康被害が無くても施術料金の返還を求められることがある

前回の記事では刑事での取り締まりがされなくても、民事で無免許施術の違法性が問われ、民法の規定に基づき施術料金の返還を求められる可能性があることを書きました。

 

これを読まれてている無免許業者の皆様、ご自身の施術が違法で無いという自信がある方はどのくらいおられますかな?

 

どのような施術が裁判で医師法違反とされてきたかは当ブログのカテゴリにまとめています。

 

 

  • 利用者さんの症状や病歴を聞かず(問診不可)、
  • 誰が行っても安全な施術しかしてない(習熟不要)、
  • そして利用者さんの体の状態を判断はしてないし、もちろん利用者に告知することもしない(所見告知不可

 

というのであれば医師法違反やあはき法違反を心配せずに済むでしょうが、そのような方はどのくらいおられるでしょうか?

 

さて、上記の点を指摘され、違法行為であり、施術契約は公序良俗に違反し、契約は無効だから施術料金を返せ、と言われたら皆様、どうされます?

 

無免許で問診や検査法を行い、身体所見を伝えている、という前提ですが。

 

物的証拠が無いから問診や身体所見の告知はしてないと嘘をつき、自分の施術の合法性を主張する、というのも一つの選択肢ではあります。

嘘で乗り切るのであればホームページに問診・検査法や所見告知をすることを書かないことです。

 

皆様(無免許業者)にとって最も望ましいのは返金せずに済むことですが、嘘をついて誤魔化した場合、あとで利用者さんが真実を知ったら逆に厄介になります。

PCデポの問題を見ればわかるように。

 

 

あ、健康被害も生じてないのにそんな返金を要求する利用者さんがいるのかって疑問がわきました?

実はそういう訴訟は起こされてたりします。

 

国民生活センターの資料(PDF)ですが、9ページ目、番号22にカイロプラクティックの施術料金の返還を求めた訴訟が書いてあります。

以下、資料から転載です。

「法」というのは消費者契約法のことです。

 


 

東京地裁平成25年3月26日判決

 

原告(消費者)の請求

 

消費者である原告は、肩こりや頭痛などの症状についてインターネットで通院先を探し、被告らとの間でカイロプラクティックの施術契約を締結し、施術を受けた。

原告は、被告らが、原告の猫背、頭痛、肩こりはカイロプラクティックによる施術によって治るとは限らないにもかかわらず、それを故意に告げず、かえって、原告らの症状が治ると将来における変動が不確実な事項につき断定的判断を提供したため、原告は、本件各施術によって症状が治るのが確実であると誤認したと主張し、法4条2項により本件各施術契約を取消す旨の意思表示をし、不当利得の返還請求をした

 

判決

 

カイロプラクティックの施術における「猫背、頭痛、肩こりの症状を改善させる効果の有無」については、消費者契約の目的となる役務についての「質」に該当すると認められる。

被告らが、本件各施術によって猫背、頭痛、肩こりの症状が改善していく旨の説明をしたことは認められるが、施術によって症状が改善しないと認めることはできないから、被告らが本件各施術によって症状が改善しないにもかかわらず改善する場合があると告げたと認めることはできない。

また、被告らが、原告に対し症状が軽減、消失しないことを告知しなかったことが法4条2項に反するとはいえない。

そして、被告らが「猫背、頭痛、肩こりが治る」などという断定的明言をした事実を認めることはできず、原告において、猫背、頭痛、肩こりが確実に治ると誤信したと認めることは困難である。

被告らが、症状が改善しない場合があることを故意に告げなかったとも認められない。

以上により、原告の本件各施術契約の申込みの意思表示につき、法4条2項に基づいて取消すことはできないとして、原告の請求を棄却した。

 


消費者契約法第4条2項ですが、故意による不利益事実の不告知です。

 

 

この判決、本文が判例データベースには収録されておらず、正確なところはわかりませんが、施術そのものの違法性を争ったわけではないんですよね。

 

これが本人訴訟なのか、弁護士がついてこの結果だったのかはわかりません。

原告がカイロプラクティック施術が医師法違反やあはき法第12条違反と主張しなかったら、裁判官はそのことについて判断してはいけないのです(弁論主義)。

 

では無免許施術が違法であり、民法90条違反(公序良俗違反)だから施術料金を返せ、という裁判は有ったのか?

そのような判例は私が調べた限りでは無いのです。

 

なぜそのような判例が無いかはまた次の記事で。

 

なお、裁判ではありませんが、アートメイクスクールに関しては違法施術を教えているのだから授業料を全額返金せよ、という決定が東京都消費者被害救済委員会によってなされています。

 

無免許施術を教えているスクールにも当てはまることでしょう。

 

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